第23回・野生動物との共存  (2007.11.7.)

講座内容  奈良公園のシカの生態を軸に人と野生動物との関わりかたを考える
講   師  鳥居 春己 先生(奈良教育大学自然環境教育センター 准教授)
場   所  奈良公園/奈良教育大学



人と野生動物と共存するにはどのような問題点や課題があるのか、奈良公園のシカをモデルとして、鳥居先生から講義を受ける。




シカに食べられて地上約2m以下の高さに枝がない、また、地表にあるのはシバだけで背丈のある草が生えていない。シカが作ったといえる奈良公園の典型的な景色。




シカは不嗜好性植物(アセビ、ナンキンハゼ、シダ類など)以外の植物や次世代を担う種子も,稚樹も食べる」、「シカの数が増えすぎるとこれらを食べ尽くしてしまうのでシバ地が広がり、植生に大きな影響を与える」と説明する鳥居先生。



矮小化することでシカに食べられることから逃れているイヌタデ(普通のイヌタデと比べると極端に背が低い)。



シカが食べないように障害物を設置してシバの生育量を調査中(鳥居先生の研究室)。



シカの食害から植栽木を守るために柵で囲いをしている。柵の中ではシカに食われず、草本も大きく育つ。

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