第26回講座 「森・川・里・海連環」 (2008.11.11.)
講座内容自然(森・川・海)と人(里)が影響しあって形成する自然と文化について明らかにし、自然の恵みの持続的な利用のための自然との付き合い方(生態系管理)を学ぶ。
講  師夏原 由博 先生 京都大学大学院地球環境学堂教授
今西 勝 氏 川西市黒川菊炭生産者
場  所川西市黒川地区/黒川公民館



午前の講座場所 「池田菊炭生産家今西家炭焼窯」に向かう受講生


炭焼用としての生産林(クヌギ林)が維持されている黒川地区の里山風景


池田炭の炭焼、里山の維持・管理を行われている今西勝氏から、クヌギ林の手入れや炭焼についてお話を伺う。


炭焼窯は、3.5X4X2m(高さ) の大きさで、クヌギの原木を1回に4.5トン程焼くと、800kgの炭ができ、1年に20数回炭出しが行われる。1年間に焼くクヌギの量は、約2ヘクタール分だそうだ。


池田炭は、炭の切り口に菊の花びらのような割れ目があり、見た目も美しいことから「菊炭」とも云われている。


炭焼窯近くで維持されている伐採後4年目の「台場クヌギ」


午後から、豊川公民館(築後105年の小学校校舎(休校中))で、夏原先生による「森・川・里・海連環」の講義に熱心に聞き入る受講生。


里山の定義は、研究者によりまちまちであるが、高橋 喜男氏(元・保全協会会長)は、本来の里山は森林、集落、田畑がモザイク状になって農業と一体となった地帯と定義されている。


「森・川・里・海」のつながりには、@生態系 A人と自然 B未来の世代 があり、生態系には、@流れに沿う(森林が川や海に及ぼす影響) A隣り同志(里山) B季節変化(渡り鳥) C同質(緑の回廊)のつながりがある。


「森・川・里・海」以外に、空・土とのつながりもある。
 大台ケ原に棲息するシカは、「トウヒ」の芽を全て食べてしまい、この40年間で、樹木が枯れ、倒れてしまったが、全国各地でもシカの影響で林の姿が変化してきているところが多い。
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