第8回講座 野鳥 @  (2010.6.2.)
講座内容  市街地で繁殖する野鳥
講  師   和田 岳(大阪市立自然史博物館学芸員)
場  所   大阪市立自然史博物館/長居植物園



午前は室内講義。後、「鳥の寿命は?」「スズメが減っているか?」等々、様々な質問が出された。「スズメなど身近な鳥についてのデータはまだまだ不足している、10年ぐらい記録していくことが必要」と話される講師の和田先生。


午後からは植物園内での鳥の調査。博物館前につり下げられたナガスクジラの骨骼に営巣しているスズメの巣を観察。巣材の枯れ草がみえていた。スズメは隙間を好んで、営巣する。何組かのカップルがいる模様。


羽をふるわせて餌をねだるスズメの幼鳥(ナガスクジラの骨骼にて)。いつも見慣れているスズメであるが、じっくり観察すると興味が増してくると受講生。


植物園内の東屋の屋根裏にスズメの巣。鳥よけのネットをかいくぐって営巣している。


コゲラのあけた巣穴を探す受講生。枯れ木や枯れ枝で直径10pくらいのものにあける。


コゲラの巣穴。500円玉くらいの大きさ。中もくりぬいている。穴をあけられた後、木が倒れた模様。


仏教伝来と共に日本にやってきたドバト。「つがい」かどうかの判別は求愛行動(これはオスがオスに行動を起こすこともあるとのこと)、求愛給餌、交尾などがある。


ムクドリのつがい。ヒナをつれて餌を採っていた。ヒナが近くの木にとまっていた。ムクドリは20〜30年前から大阪市内に進出してきた。


カラスの巣。90%以上が樹上に営巣する。巣の外側の巣材は、木の枝、針金、ハンガーなど。この場合は、木の枝のみ。産座は、枯れ草を使う。


池で餌を待つアオサギ。受講生は「双眼鏡でアップにして見るとアオサギの冠羽が長くきれいでした。」「アオサギを初めて近くでみてキレイなことに感激した。」


公園内は繁殖、巣立ちのシーズン。カロリナポプラの綿毛も巣材になる。ヒヨドリが綿をくわえて持ち去っていた。


調査用紙をもとに、まとめをされる和田先生。「本日識別した鳥は16 種。近所の街の鳥に目を配ってほしい。観察し、記録をとっておくこと、そして続け ることが大切。」
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