特別講座 ツバメの塒入り (2010.8.4.)
講座内容宇治川のヨシ原で見られる大規模なツバメの塒入りを観察する
講  師中野 勝弥先生 淀川観察会主宰者
場  所宇治川・向島(宇治市・観月橋付近)



夕刻、京阪電車観月橋駅に集合。特別講座のため、一日体験の方、空の会会員などいつもとは違う賑やかな顔ぶれが揃った。


「ツバメの総数把握、塒情報の交換、水辺環境の保護」などを目的として2006年より8月の第一日曜を統一調査日としている。「調査の結果、近畿全体で30万羽、塒は30カ所」と話される、本日の講師、中野先生。


日暮れの塒入りまでの間、ツバメの習性についての話を聞く。塒の存在が知られる前は、孵化し飛べるようになったツバメはすぐに南へ飛び立つと思われていた。


近鉄線鉄橋に沈む夕日。


向島のヨシ原。刈り取り、野焼きなど、人の手が適度に入っているヨシ原はツバメの数が安定もしくは増えている。ツバメの塒はヨシ原のバロメータ。淀川にはこのほか豊里、鵜殿などの塒がある。


向島のツバメは奈良平城京の辺りから、この旧巨椋池干拓地を越えてやってくるらしい。


観察場所に到着。ツバメより先にヨシ原の塒に入ったスズメの様子を観察する受講生。


写真を見ながらツバメの数え方の説明を聞く。ツバメの塒入りは、午後7時10分から7時20分までの短時間。


上空を舞うツバメ。上空で鳴きながら本日の情報交換をしているらしい。この後、数千羽の群れが、次から次へと落ちるように塒に入っていく。「感動でゾクゾクとした」とは受講生の感想。


ツバメに限らず、自分の身近な自然に目を向け、継続して観察していって欲しいとまとめをされる中野先生。
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