第21回講座 「野生動物との共存」 (2011.10.22.)
講座内容奈良公園のシカを軸に人と野生動物とのかかわりを考える
講  師鳥居 春己 先生 奈良教育大学教授
場  所奈良公園/奈良教育大学



「皆さんがシカを嫌いになってくれたら今日の講座は成功」と挨拶される鳥居先生。


本来はシカにとって有毒なアセビもシカが食べるようになり、上の方は枯れかけている。


地表の植物、2m位までの木の枝、木の実、種子を食べつくすシカ。


シカに食べられないように、体を出来るだけ小さくして(草丈1センチ以下)花を咲かせ繁殖する植物。


老木が枯れてギャップができても、地表の種子をシカがたべつくしているので発芽できず、また発芽しても食べられるのでギャップ更新ができない。


柵で保護すると中はたくさんの種類の草や木が茂り本来の姿になる。


奈良公園のイラクサは平城宮跡のイラクサと比べると棘が多い(シカに食べられないように変化している)。


湿地化している飛火野。


湿地化した飛火野に咲くミゾカクシ(田の畦によく咲いている)。


午後の講義「文化を食べるシカ」 万葉集には奈良の萩を詠んだ歌が多くあるが、今の奈良公園には萩はない。


生物間のつながりで不要な種はいないはず、1種たりとも絶滅させてはならないと力説される。


「自分たちは何をしなければならないか」という受講生の質問に、「自分の地域の自然を残してほしい、想像力を逞しくして色々な事に対処してほしい」と言われる鳥居先生。
目次へもどる / 次へ