2002年度総会 事業計画など6議案を承認

 ((社)大阪自然環境保全協会2002年度通常総会の報告)



里山保全政策づくりなどが重点
理事は10人が新任


●総会開催
 協会は5月25日、2002年度の通常総会を大阪市中央区の府立労働センターで開き、今年度の事業計画など6議案を承認しました。計画では、生態系保全活動の強化を引き続き掲げましたが、なかでも里山保全政策づくりとその実践に重点を置く方針を示しています。役員の選任では、理事20名のうち10名が初就任となり、新体制がスタートしました。

●主な議案と出席状況など
 議案は、@01年度事業報告書 A01年度収支計算書 B02年度事業計画書 C02年度収支予算書 D会員有志の別法人(NPO法人)設立に関する協議・合意事項――のそれぞれの承認と、D役員の選任。出席は、会場44人、委任など439人の計483人(正会員895人)。議長には、小嶋裕さんを選びました。
 事業計画の重点や新しい取り組みなどを紹介します(事務局)。


 ■ 事業計画

● 「中期計画」(3〜5年)では、2001年度、「里山などの自然環境を保全する政策づくりと提案の推進」を挙げました。今年度はこの活動をさらに拡充させていくため、「里山保全政策づくりとその実践」として掲げ、「保全のための基本計画(マスタープラン)づくりを進め、提案型の保全活動をより充実させるとともに、開発問題への対応を強化していく」としました。具体的には、2001年度末にスタートした「里山政策委員会」で活動内容について話し合っています。

● 「自然保護事業」のなかでは、「大阪府カエル一斉調査」を行います。昨年度すでに予備調査を実施していますが、これを本格化。水辺の生き物と環境保全を考える活動として、水田との関係が深いカエルの生息状況を網羅的に調査し、水辺環境の維持、回復運動に弾みをつけるものです。これらは、継続してきたメダカ調査と並行して行います。

 また、今年度4月から、メスジカの捕獲禁止措置解除や野生ジカの半減策などを柱とする大阪府野生鹿保護管理計画がスタートしたことに対応し、野生シカ調査も行います。狙いは、野生生物が生息できる環境を守ることを通じて、里山などの自然環境を保全すること。当面、能勢、箕面、高槻での調査活動を中心に実施。農林業被害の調査、府への提案、市民へのアピール活動などを検討します。

● 「普及啓発」では、大阪シニア・自然大学に講座部高等科を設置。講座部での基礎知識をベースに、より具体的な深い実践力を付け、本科の指導ができる人材の育成を目指します。また、小学生を対象に植物の観察や野菜作りなどを体験してもらう「ジュニア自然大学」を開講。昨年度は大阪市などと実行委員会を作って取り組んだ「地球環境大学」は協会の主催事業として開きます。


 ■ 財政

 2001年度の収支は、受託・調査研究事業などがおおむね堅調だったことから安定的に推移し、財政状況は、前年度も含めた短期的局面では以前に比べて好転したと言えます。しかし、その中心的な要因は一時的な受託事業の規模増大で、こうした状況を継続できる見通しはなく、それは今年度の収支予算に現れています。
 なお、<2001年度収支計算書、2002年度収支予算書>の概要については下のボタンをクリックしてごらんください



 ■ 会員有志の別法人設立に関する協議・合意事項の承認

 この承認は、大阪シニア・自然大学グループの会員の有志が、保全協会とは全く別に、独自にNPO法人を設立し普及啓発などの事業を実施する計画であるため、関連して生じる諸事項について規定したものです。承認内容は下記(一部省略)の通り。(なお、このNPO法人は、社団法人である保全協会を分割したり、社団法人をNPO法人に変更したりするものではなく、あくまで有志の方が自由意思で新たに設立されるものです)
@ 同グループが使用している備品類については、有志から要望のあった下記(省略)の種類などを対象として、保全協会と有志およびNPO法人との協議をもとに、保全協会からNPO法人への寄贈品を理事会で審議・承認し、2003年3月末までに寄贈明細などの覚書を双方で交わす。
A 大阪シニア・自然大学グループが担当している各種事業のうち、今後、保全協会と、有志および有志の設立するNPO法人とのあいだで、主催や受託、講師派遣などの受け入れの扱いについて協議が必要と認められる場合、双方の協議および理事会の審議にもとづいてそれらの取り扱いを決定する。


 承認事項以外のお知らせ……新NPO法人の名称について、有志は「シニア自然大学」とすることを提示。協会事業として実施している「大阪シニア自然大学」とは同一にならないため、この呼称の是非については議案として総会に諮る必要性がないと判断しました。 


 ■ 役員の選任

 理事、監事両選挙ともに信任投票となり、理事20名、監事2名の立候補者全員が当選、選任されました。また、長井美知夫・副会長の後任に佐藤治雄理事を選任しました。役員は下記の通り(敬称略)。
 会長=高田直俊/副会長=木下陸男、佐藤治雄/金谷薫、新保満子、青木俊之、高畠耕一郎、田中幸稔、岡田弘(以上、重任)、米道綱夫(元理事)、藤家順、垣井清澄、木村進、夏原由博、河野雄一、岡秀郎、小林正知、前田弘寿、常俊容子、野本奏栄<立候補届名=野田奏栄>(以上、新任)
 監事=志甫忠男、新居誠一郎(ともに重任)


以 上

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