野山のたより2004年4月号

「珪化木」

ジョギング中に発見 変な石やなー!!!
エーこれ何や”珪化木(Silicified Wood)”と違うか??
よく見るとクッキリ年輪、節、木肌が見られまさしく植物の化石です。
何でこんな所に有るのでしょうか?

撮影者:米沢 勗(つとむ) さん

撮影場所:泉佐野市(2004.3.1.)

■珪化木 (silicified wood)
樹幹が珪質化して保存された植物化石。多くの場合、堆積(たいせき)物中に埋没した樹幹に、水に溶けたケイ酸分(SiO2・nH2O)が細胞内や細胞間 のすきまに浸透・沈着したのち、珪酸鉱物を晶出したものと考えられている。
珪化木中の珪酸鉱物は、オパール(たんぱく石)、玉髄(ぎよくずい)(めのうを含む)、微晶質石英などで、後二者が普通である。
珪化木は木材の微細な構造を残していることから、樹種や類縁関係を調べ、植物の系統や進化を明らかにする資料となる。また、たとえば年輪の状況から気候が判定できるように、古環境や古生態を知るよい手掛りとなり、その研究は葉や果実の化石、花粉分析とともに古植物学の重要な一分野を占めている。
日本での珪化木産出は、おもに中生代と新生代の地層からで、とくに日本海沿岸地域(秋田、山形、石川、鳥取の各県など)の新生代新第三紀中新世の地層から多産する。
珪化木は、化石化作用のうち、石化の代表的な例であるが、同様に炭酸カルシウム、鉄分(黄鉄鉱、褐鉄鉱)などの鉱物質の沈着による樹幹化石も知られている。いずれの場合も、もとの植物体の圧縮変形が少ないことから、地中埋没後、早い時期に石化が完了したと考えられる。〈植村和彦〉(C)小学館(スーパーニッポニカ)


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