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【日時】 | 2004年7月10日(土)午後1時10分〜4時10分 |
【場所】 | (社)大阪自然環境保全協会 事務所 |
【参加者】 | 佐野(三重)、鈴木(兵庫)、伊東・佐藤・高畠・纐纈・木村(以上大阪)、村田・石井(京都) 以上9名 |
【司会】 | 高畠(事務局・大阪自然環境保全協会) |
【記録】 | 木村(同) |
【案件】 |
(1) 解析委員会について
第3回実行委員会(2004.6.15)に事務局から提案して了解された。
布谷・佐藤・伊東・佐久間・佐野・纐纈・高畠・木村・鈴木(以上9名)+参加希望者(解析委員以外の方もご出席ください)。
予備調査のデータ処理の方法について検討し、実際に近畿全域の 調査結果について集約して考察を加え、中間報告をまとめる。また,その結果をもとに、2005年本調査の調査方法の原案(調査用紙も含む)についても検討して、実行委員会に提案する。その際,予備調査の実施状況から考えて,本調査の組織体制や調査の呼びかけ方などについても提案する。
第4回実行委員会(04.09.04)までに中間報告をまとめて提案し、それで完成していなければ、再度解析委員会を開いて、次の実行委員会へ提案する。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(2) 予備調査実施状況(2004年7月9日現在)
まだ、サンプルの処理・入力が完成していない府県は、7月25日(日)までに入力を済ませて、そのファイルを事務局 tampopo@nature.or.jp までお送りください。この日までに無理な場合はご相談下さい。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(3) 予備調査結果の集約について @ 各府県での結果の集約でわかってきたこと(前回実行委員会+その後のメール)
*近畿全体の集約では在来種を黄花と白花に分けるだけとするが、本調査では統一したマニュアルを作ってきっちり同定する方がいいのではないか?
大阪の在来種はカンサイタンポポだけということだが、トウカイ・カントウ・キビシロ(?)もあった。 白花で花粉が均一な在来種の白化個体と思われるのもあった。 *兵庫県(鈴木、'04.7/1)では、ヤマザトタンポポなど在来の倍数体はウスギタンポポでまとめ、一部森田先生の同定のあるものはクシバとした。 また、兵庫北部で2ケ所でキビシロタンポポと思われるものがあり、1つは小学校の先生が新潟大の森田さんに同定してもらっており、もうひとつは三田に集まったサンプルの中にあり、私の知りうる情報ではキビシロと思っている。
・外来種のタイプのもので、大阪では4が多かったが、奈良や三重では5が多い。 ・総苞外片の状態が1で、花粉がバラバラの「在来種型雑種」は、三重では1%くらい。大阪・奈良・滋賀でもあったが少ない。大阪でも外片の状態が1や2で花粉がバラバラの在来種型雑種と判断されるものが10個体以上。 ・兵庫県では、セイヨウタンポポで果実まで確認できているものは「セイヨウタンポポ(狭義)」、果実で確認できないものは「セイヨウタンポポ(広義)」とし、また、花粉がバラバラで総苞外片が 1 or 2 のものは「在来型セイヨウタンポポ」として区別した。 「在来型セイヨウタンポポ」のうち明瞭にアカミの色の果実をつけるものは「在来型アカミタンポポ」として区別した(鈴木)。
・花粉「不明」というのは、頭花の時期が不適切(つぼみや未熟・開花後)で花粉の確認が困難か、花粉があっても判断できなかったのか、がはっきりしない。 ・花粉の観察で、他種の花粉が混ざっていたり、砂粒・泥などの混入にも要注意。 ・セイヨウタンポポの花粉で、花粉量が多いものはわりと形がまとまっていて、気をつけないと「均一」と判断しかねない場合がある。 総苞で「5」のものはかなりこの花粉のようで、バラバラの中でも識別してもいいかもしれない(鈴木)。
2) 頭花・痩果サンプルは小袋に整理番号を朱記して一定数ずつ(大阪では50ずつ)封筒に入れて保存する。頭花は各府県で室温で乾燥保存する。 3) 痩果については、小袋用紙(必ず整理番号を記載しておくこと)にセロテープで貼り付けたまま、密閉できる容器(または、ナイロン袋)に入れて、冷蔵庫で低温保存。 これらは、各府県で処理が終了していらなくなったら、大阪市大(伊東明先生)まで郵送(全サンプルでもよいし、各府県で分析が必要と判断したものだけでもよい)。 伊東先生のほうで必要に応じて、発芽させてDNA量の解析にかけていただく。 *送付先:〒558-8585 住吉区杉本3-3-138 大阪市大理学部 伊東 明 A. 基礎的な解析
2.種類別の総ほう外片の状態・生育環境・花粉観察結果など (例: 大阪集計分) 3.総ほう外片の形と花粉観察結果など (3次メッシュを基本として集計した。各種の割合を算出する時は、データ数に応じてメッシュサイズを変えることも可能)
2.外来種(含雑種)の比率の分布メッシュ地図(いずれが多いか)
これで、基礎的なデータ処理が済んでいるので、次回の解析委員会までに集約された近畿の全データを元に同様の解析を行ない、それらをもとに作成した最終的なデータ解析結果について、次回の解析委員会で考察を加えることにしたい。 その上で必要と判断されるデータ処理を行うことにする。 *メッシュ地図に府県の境界を入れていくのは煩雑。別の地図と重ねあわすほうがよいか。佐久間氏にも相談してみる。 *過去のデータとの比較が可能な府県については、過去からの変遷についても考察を加える。そのためには、過去のデータを今回と同じ処理が可能な形に変換する必要がある。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(4) 予備調査における雑種の解析について(大阪市大、伊東先生) 一部のサンプルについて、フローサイトメーターと葉緑体DNAによる解析を行なって、予備的な検討を行なっていただいている。 両者を併用すれば、現在知られている在来種と外来種の間に生じる3つのタイプの雑種(3倍体雑種・4倍体雑種・雄核単為生殖雑種)を識別することができる。アカミタンポポについても可能。
その他の地域は、まだ雄核単為生殖雑種の分析はできていないので、それを除いた雑種の比率は、吹田市:69%、堺市:76%となっている(思ったほど多くはない?)。 *第1回解析委員会では、3ケ所(吹田・堺・大阪市住吉区と東住吉区)の予備的な解析から、次のような内容の途中報告があった。詳細については、今後、伊東先生にまとめていただく。
*また、堺市では花粉観察の結果とも対応させてみたが、花粉がなかったものはすべて4倍体雑種であることがわかった。花粉が均一なものには雑種がなく、すべて在来種であった。 *予備的な解析のデータだけでは少ないので、さらに、各府県ごとに痩果のサンプルから一部を抽出し、痩果を発芽させて葉のサンプルを入手し、DNAの解析を行なって、「総苞外片の5つの状態」毎に、3つのタイプの雑種・純粋な外来種がそれぞれどれだけ含まれているかを明らかにし、本調査に備えたい。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(5)予備調査の報告プリント及び中間報告の作成 @ 予備調査結果の公表について
2) 近畿全体の集約・解析は本解析委員会で行う。 3) 解析結果は次の方法で公表し、本調査の参加呼びかけに活用する。
2004.8.9〜 2回の解析委員会の結果をもとに、報告プリントと予備調査報告の目次案・執筆分担決定し、原稿の執筆開始。(概要を次回までに考えてくる) 2004.9.4 予備調査報告を第4回実行委員会へ提出して意見交換。 2004.10月 さらに必要なら解析委員会を開いて検討を加えて完成させる。 2004.11月 報告プリントはできるだけ早く印刷し、希望者に配布。予備調査報告は遅くとも今年中には完成させたい。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(6) 本調査の実施に向けて(当日は時間がなく、事務局から報告しただけ。次回検討) @ 本調査のあり方について 1) 基本的には近畿全域で最低限統一して行う調査としては、予備調査と同じ方式の調査を継続して実施する。そして、この2年間の調査結果で分布地図を作成する。 調査方法の大枠は変えないが、予備調査の結果を踏まえて、「調査用紙」や調査の方法の一部に修正を加えたい(解析委員会で検討)。 2) それ以外にどのような調査を行うかは、各府県の判断に任せる。 しかし、別の方法で行った調査データは、近畿全域の調査結果とは別に扱うものとする。
小学校や中学校での調査で全員にサンプルを採取させて行なうと、我々の処理能力を超えたサンプルが集まるし、都心部の在来種などの採取は教育上も望ましくない。 そこで、種類は総苞外片が上向きの在来種と、それ以外の外来種に2分し、地点も参加団体に必要なメッシュ地図をコピーして配布し、それをもとにメッシュ番号を記載していただくか、地図にデータをプロットしていただき、これから読み取る方法も可能としたい。
・整理番号 調査用紙のトップにもってくる。 ・1.調査した日 bヘ調査者にとっては必要 あなたのお名前 →名前 (所属団体 ) ご住所 〒 →住所 〒 ・2.調査した場所 メッシュ番号が探しにくい。○○公園→○○学校 町、村の右側の下線を短くしてはどうか。 メッシュ地図の例示の番号が間違っている。 ・3.調査地点の環境 :都市的緑地の中に団地を入れる。(・・グラウンド・家、団地の庭など) ・4.タンポポの種類 4−1は〔 〕にではなく、数字に○をつける。 4−2のすぐ下に総苞外片の形(→状態)の図をつけ、図に○をつける。 ・頭花・痩果の有無・花粉観察の結果のチェック欄を設け、○をつけてチェックできるようにする。 ・小袋(折り方の線が間違い)は再考の必要あり(切り取り方、整理番号の記入箇所など)。 小袋を使用せず、封筒に頭花を入れ、調査用紙に痩果を貼る方法も検討。 *以上に加えて、次のような意見も出された。
1) どのようにして、調査を広めていくか? 参加団体を増やしていくか?
大阪府立泉北高校(木村進)では、頭花と痩果を採取して、授業時に花粉を生徒自身で観察し、ミクロメーターの実習として花粉のサイズを測定する実習を行った。
調査の概要や方法を携帯電話で見ることができて、結果の送信も位置情報や撮影したタンポポの写真も含めて可能。
*形態学的解析:総苞外片・頭花・痩果の観察・計測による解析 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(7)その他 @ 予算について 1)助成金の申請 現在、日野自動車グリーンファンド(布谷、45万円、1年)と河川環境管理財団(伊東・名波、120万円、2年)に加えて、タカラハーモニストファンド(木村、50万円、1年)が決定。 また、富士グリーンファンド(木村、250万円)を申請中。 今後、昨年ダメだったNACS-J(7.15締切)やWWF(8.?締切)に再申請する予定。 2) 寄付金の公募 各府県で下記口座への寄付金を募ってほしい。 *口座番号:00950−3−221884番 口座名称:タンポポ調査・近畿2005実行委員会(現在までは0円です。) *本調査に向けて、1000円以上寄付をいただくとカンパ込みで最終の報告書をお送りするという形で、寄付金を集めていってはどうか。これも調査用紙に記載する。 3) 各府県予算として当面2万円を計上、報告書の必要経費など追加して必要な府県は申し出ていただく。 これについては、「タンポポ調査・近畿2005実行委員会」宛ての領収書(日付・品目記載)が必要。 品目は「会議費・通信費・事務用品費・印刷費」とする。 裏に鉛筆で府県と支払い者名を記入し、会計担当(宮田さん)に提出。 残金は返金。 A 後援申請について−近日中に申請書提出 *対象:2府5県、同教育委員会、日本環境教育学会、新聞5社 B 「タンポポ調査・近畿2005」実行委員会のホームページ URL:/shoko/Tampopo/Kinki_2005/ *今後、予備調査結果の報告や、来年度に向けて小中学生でもわかるコーナーが必要か? 各府県で予備調査結果がまとまれば、HP用の原稿をお送りください(調査委員会のメールアドレスtampopo@nature.or.jpまで)。 *次回までの役割分担 @ 未提出の入力データがある府県は早急に入力いただき、7月25日(日)までに事務局へお送りください。遅れる場合は事務局と相談のこと。・・・・滋賀・京都・和歌山 A それらのデータの基礎的解析・・・・佐藤(大阪・保全協会) B メッシュ地図の完成・メッシュ分布データの集約・・・・佐久間(大阪・自然史博) C 在来種の見分け方に関する資料作成・・・・鈴木(兵庫・ヒト博) D 現在までの雑種解析結果のまとめ・・・伊東(大阪市大) E 予備調査報告プリントのレイアウト・冊子の目次案と執筆分担案の作成・・・全員 F 第2回解析委員会にむけての諸連絡・レジュメ作成・・・事務局 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【今後の予定】 第2回 解析委員会(終了) 8月9日 (月) 15時〜 (於 保全協会事務所) 第3回 解析委員会 8月24日(火) 14時〜 (時刻を14時からに変更)(於 保全協会事務所) 第4回 タンポポ調査近畿2005実行委員会 9月4日(土)13時〜 場所:大阪自然環境保全協会事務所 |