|
|
【日時】 | 第1回:2004年7月10日(土)午後1時〜4時、参加者9名 第2回:2004年8月 9日(土) 午後1時〜5時、参加者9名 第3回:2004年8月24日(火) 午後1時〜4時、参加者5名 |
【場所】 | (社)大阪自然環境保全協会 事務所 |
【出席者】 | 佐野(三重)、鈴木(兵庫)、布谷(滋賀)、佐藤・高畠・木村・伊東・纐纈 ・名波(大阪)、内藤(和歌山)、村田・石井(京都) |
【司会】 | 高畠(事務局・大阪自然環境保全協会) |
【記録】 | 木村(同) |
【案件】 |
(1) 解析委員会について
第3回実行委員会(2004.6.5)に事務局から提案して了承。
予備調査のデータ処理の方法について検討し、実際に近畿全 域の調査結果を集約して考察を加え、中間報告案をまとめる。また,その結果をもとに、2005年本調査の調査方法についても検討して、実行委員会に提案する。
第4回実行委員会(04.9.4)までに中間報告案をまとめて提案し,それで完成していなければ,再度解析委員会を開いて、次の実行委員会へ提案。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(2) 予備調査実施状況(2004年 9月 4日現在)
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(3) 予備調査結果の集約を進めるにあたって @ 近畿全体のデータ解析を進めるにあたって(実行委員会+解析委員会)
(ア)在来種の扱い方について
本調査では統一したマニュアルを作ってきっちり同定する方がいいだろう。→ 各府県での予備調査結果に基づき、10月11日(月)の第5回実行委員会終了後(18:30〜)、在来種の分類に関する検討会・学習会を行う。 2) 黄花の在来種でも、2倍体の種と3倍体以上の高次倍数性の種とでは明らかに分布が異なる。今回は、花粉観察をしているので、それも参考にできるので、集計や分布地図作成に当たっては、両者を区別した方がよい。その際には、キビシロタンポポやウスギタンポポと同定されたものは、黄花の高次倍数体に入れ、在来種でもシロバナタンポポだけは別扱いとする。 3) よって、在来種は次の3つに区分して集計する。なお、種まで同定した府県はそれによって府県ごとの解析を行ってもよいが、府県によって扱い(同定の基準)が異なるので、近畿全体の集計では、参考資料として算出するだけにとどめ、解析には用いない。
B.黄花高次倍数体種:ケンサキ・ヤマザト・クシバ・キビシロ・ウスギ・・・・・・花粉はバラバラ。 C.シロバナタンポポ ・・・・・・花粉はバラバラ。 4) 形態から「在来種」と判定されて、その後の花粉観察で「バラバラ」と言う結果が出たものは、「在来種型雑種」の可能性が高い(高次倍数体の在来種の可能性もある)と考えられるが、今後、種子を発芽させてDNAの解析に回す予定であり、とりあえずはそのままの形で処理を進める。 ただし、兵庫県については、総苞外片の形態タイプ1か2のものは在来種型雑種として処理されており、この点で扱いが少し違っている。 なお、他の府県で在来種と判断されて花粉が「バラバラ」だった個体は、三重:5(1.0%)、和歌山:11(1.6%)、奈良:10(10.9%)、滋賀:26(22.0%)、京都:8(4.8%)、大阪:43(5.9%)、近畿全体で4.4%あった。
2) 雑種を含めた外来種(花粉がバラバラのもの)のうち、総苞外片のタイプが1か2の個体が、「在来種型雑種」と考えられるが、これと(ア)の4)であげた花粉がバラバラの在来種も同様に雑種の可能性があるのでこれらを合計すると下表のようになる。
3) 外来種の総苞外片の状態を比較すると、滋賀・和歌山・三重・奈良ではタイプ5(純粋な外来種の比率が高いと考えられる)が多くて半数を超えていたが、大阪や兵庫・京都ではむしろタイプ4や3が多かった。 4) 花粉観察における問題点
2) 頭花・痩果サンプルは小袋に整理番号を朱記して一定数ずつ(大阪では50ずつ)封筒に入れて保存する。頭花はそのまま当分の間、各府県で室温で乾燥保存しておく。 3) 痩果については、小袋用紙(必ず整理番号を記載しておくこと)にセロテープで貼り付けたまま、密閉できる容器(または、チャック付きのナイロン袋)に入れて、冷蔵庫で低温保存。 これらは、各府県で処理が終了していらなくなったら、大阪市大まで郵送する。最低限、判定が困難なのもはすべて送付すること。全サンプルをそのまま送ってもよい。 伊東・名波先生のほうで必要に応じて、発芽させてDNA量の解析にかけていただく。 *送付先:〒558-8585 住吉区杉本3-3-138 大阪市大理学部 伊東 明 (ア) 基礎的な解析(クロス集計)
2.種類別の総ほう外片の状態・生育環境・花粉観察結果など 3.総ほう外片の形と花粉観察結果など
2.外来種(含雑種)の比率の分布メッシュ地図 3.堀田1977のメッシュ地図と比較できるメッシュ地図(メッシュのサイズは3次メッシュを4個合わせたもの)
*解析委員会では、佐藤氏に依頼して上記のような基礎的なデータ処理と、多数のメッシュ地図の作成(大阪を中心に、一部は近畿についても)をしていただいた。 この結果は第1・2回解析委員会に提出されたが、いくつかの府県でデータが未入力であったり、入力に不備があることが見つかり、何回か追加・修正を行って、それらを含めた処理をお願いした。 その後、木村がグラフ作成やいくつかのデータの解析を行ない、第3回解析委員会に提出した。 この委員会で意見をお聞きし、メッシュ地図については、堀田(1977)を中心にした1970年代の分布地図と比較するために、当時のデータ入力を木村が行ない、佐藤氏に比較ができる地図を作成していただいた。 また、解析に必要な表やグラフの作成を木村が行ない、第4回実行委員会(2004.9.4)に提出して、委員全員のご意見をうかがって、必要があれば、再度解析委員会を開いて検討を加えて中間報告書にまとめることになっている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(4) 予備調査における雑種の解析について(大阪市大、伊東・名波氏) 一部のサンプルについて、フローサイトメーターと葉緑体DNAによる解析を行なって、予備的な検討を行なっていただいている。 両者を併用すれば、現在知られている在来種と外来種の間に生じる3つのタイプの雑種(3倍体雑種・4倍体雑種・雄核単為生殖雑種)を識別することができる。 アカミタンポポについても可能。
2) 第1回解析委員会では、3ケ所(吹田・堺・大阪市住吉区と東住吉区)の予備的な解析から、次のような内容の途中報告があった。詳細については、今後、伊東氏にまとめていただく。
A 雑種の割合は場所によって大きく異なる。 B 平均的には総ほう外片の反り返りが少ないものほど雑種の比率が低下する。 C 総ほう外片の反り返りの程度が同じでも場所によって雑種の比率は異なる。 D 総ほう外片の反り返り具合の頻度分布の場所による違いはあまり大きくない。まだ、解析された地点数が少ないが、総ほう外片の反り返りの状態を5段階に分けた結果だけでは、各地域の雑種の比率を推定することはむつかしく、地域別に雑種比率を調べる必要があるようだ。 *また、堺市では花粉観察の結果とも対応させてみたが、花粉がなかったものはすべて4倍体雑種であることがわかった。花粉が均一なものには雑種がなく、すべて在来種であった。 3) 第3回解析委員会に、名波氏から「予備調査報告書」の原稿を提出していただいた。 ただし、予備的な解析のデータだけでは少ないので、さらに、在来種型雑種と思われるが、総苞外片の形態や花粉の観察では確定できない個体については原則としてすべてのサンプルについて、また、それ以外の個体については、各府県で総苞外片のタイプ毎に一定数のサンプルを抽出して、痩果を発芽させて葉のDNA量の解析を行なう予定である。 その結果をもとに、「総苞外片の5つのタイプ」毎に、3つのタイプの雑種・純粋な外来種がそれぞれどれだけ含まれているかを明らかにし、本調査に備えたい。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(5)予備調査の報告プリント及び中間報告の作成 @ 予備調査結果の公表について
2) 近畿全体の集約・解析は本解析委員会で行う。 3) 解析結果は次の方法で公表し、本調査への参加呼びかけに活用する。
これらについては、印刷費用の見積もりを取り、助成金の残額と比較して結論を出したい。 B.予備調査報告 (A4判で20〜25ページ程度の冊子。1000部印刷予定。 予算の関係で業者には発注せずに協会での印刷になる可能性。 予備調査の段階なので、来年の本調査の実施に役立つ資料が必要。 Aの報告プリントもこの中に入れる。) C.様々な場面で予備調査結果を分担して報告し、本調査の宣伝につとめる。 まずタンポポHPに掲載し、その後、マスコミ・機関誌・集会・その他(学会など)に公表。
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(6) 本調査の実施に向けて @ 本調査のあり方について
*総苞外片の状態と花粉観察の結果から、在来種と雑種をはっきり区別する手法を確立したい。外来種と雑種についても、可能な限り区別ができないかを検討。 2) それ以外にどのような調査を行うかは、各府県の判断に任せる。しかし、別の方法で行った調査データは、近畿全域の調査結果とは別に扱うものとする。
3) 「携帯電話」を利用して行うタンポポ調査の可能性についても、実行委員会で検討する。ただし、この方法では標本を入手できない可能性もある。
ご住所 〒 →住所 〒
1) どのようにして、調査を広めていくか? 参加団体を増やしていくか?
次回の実行委員会で検討したい *フローサイトメーターと葉緑体DNAによる解析(大阪市大:伊東・名波氏)
*山野美鈴・芝池博幸・井出 任「雑種タンポポの花粉生産及び頭花の形態的特徴」(2004年植物分類地理学会口頭発表) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(7)その他 解析委員会を3回開催して、予備調査結果の集約と解析、及び、本調査の進め方についての意見交換を行ってきた。 また、本調査時に用いる「調査用紙」については提案をまとめられていないが、解析委員会は解散し、今後は実行委員会で本調査に向けて作業を進めていきたい。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
連絡・問い合わせ先: タンポポ調査・近畿2005事務局(tampopo@nature.or.jp) 530-0075 大阪市北区中崎西2-6-3 パステル1-201 (社)大阪自然環境保全協会内 Tel: 06-6374-3376 Fax: 06-6374-0608 担当:木村進・高畠耕一郎 |
![]() |
Nature > 書庫> タンポポ調査・近畿2005トップ >活動記録目次 > No.14(このページ)