タンポポ調査・近畿2005 活動記録 No. 21




「タンポポ調査・近畿2005」 第4回解析委員会報告

   
【日時】 2005年8月20日(金) 午後3時〜6時20分
【場所】 (社)大阪自然環境保全協会 事務所
【出席者】 佐藤・伊東・木村・高畠・佃・横山・宮田(大阪)、佐野(三重)、久保田(奈良) 以上9名
【司会】 高畠(事務局・大阪自然環境保全協会)
【記録】 木村(同)
【案件】
(1) 解析委員会について
@ 解析委員会の再設置
前回の第9回実行委員会で、昨年度に設置して予備調査の結果の解析と本調査のあり方を検討した解析委員会の再設置が提案され、承認された(昨年は解析委員会を3回開催したので、今回は第4回解析委員会とした)。
    * 役割・目的:近畿全域の調査結果を解析して考察を加え、どのような形で報告すべきかを実行委員会に中間報告し、その了解を得て、最終的な報告書をまとめる。
    * 委員(自薦他薦で決定):当日参加の佐藤・鈴木・佐野・久保田・高畠・木村・佃は決定。昨年度委員の布谷・伊東・佐久間氏には依頼する。それ以外でやっていただける方はお申し出下さい。
(参考:昨年度)布谷・佐藤・鈴木・伊東・佐久間・佐野・纐纈・高畠・木村。

A 「調査報告書」の編集をどのように進めていくか?
  近畿全体の報告書について、NACSJの助成報告までに間に合わすとすれば、期間が少ないので、カラーチラシや速報的な内容の簡易版としてはどうか。本日、報告するように、本調査の結果が予備調査とほぼ同じ傾向を示しているので、前回の中間報告と同様の解析を行ってまとめればよいのではないか? ただし、現時点では雑種の解析もそれほど進んでいないので、どこまで盛り込むことができるか?
その後、どのように解析を進めていけばよいかを考えたい。例えば、雑種の解析も含めて、過去の分布状況との比較や、メッシュ別の環境の変化を踏まえた解析等が考えられる。これらについては、当初の報告書には盛り込めないので、CD−ROMの形でまとめて配布することが考えられる。


(2) 本調査の実施状況

    @ 調査データ数の概数(8月1日現在)

    府 県 今年の有効データ数 昨年の有効データ数 合 計 増加比
    今年/昨年
    備 考
    @三重県 3240 1514 4754 2.1  
    A滋賀県 1332 515 1847 2.6  
    B京都府 3695 258 3953 14.3  
    C大阪府 3880 2465 6345 1.6  
    D兵庫県 (約 6000) 1265 本調査データ未着
    E奈良県 2616 258 2874 10.1  
    F和歌山県 1733 1287 3020 1.3  
    合 計 16496 7562 24058 2.2  
      *データ数が確定しているのは、三重・滋賀・和歌山の3県。京都・奈良・大阪は少し追加データあり。兵庫県の分は早急に送付をお願いします。総計は3万を超えそう。


    A 各府県のこれまでの調査状況(観察会・参加団体・参加人数・地域のバラツキ等)
       (*下記は前回委員会での報告事項、追加があれば出してください。)
    1) 三重県
    (自然観察指導員連絡会のメンバー中心、その方の所属団体にも呼びかけ、観察会は上野市で1回実施。昨年の空白地域を埋めるように調査依頼、処理は昨年と同様に1人で行い、頭花のサイズ・花弁の色・総苞内外比・総苞の色・縁毛の多さ・小角突起の状態も記録。)
    2) 滋賀県(欠席)
    3) 京都府
    (京都府生物教育会の教員と乙訓の自然を守る会で実施、データは南部に片寄るが昨年少なかった北部もかなりのサンプルが集まったところもある)
    4) 大阪府:
    (昨年の2倍程度のサンプル集まっているが、実行委員会のメンバーも増えて順調に処理が進んでいる。空白地域もほぼ解消した模様。5月28日には大阪市大の伊東・名波先生の研究室でご指導いただき、雑種タンポポの解析実習を行った。)
    5) 兵庫県:
    (ヒト博・環境創造協会・兵庫県生物学会が中心。4〜5月に鈴木氏が15回の観察会・説明会実施、昨年少なかった中央部と淡路島のサンプル増加)
      *電話で連絡があり、サンプル数は約6000。データは2〜3日以内に送る。
    6) 奈良県
    :(奈良自然観察会中心で、発送先は奈良教育大学。昨年少なかった南部の山間地もかなりデータが集まった。6月18日〜奈良教育大でデータ処理を始める。)
      *サンプルの処理がほぼ終わったところ。あと一部のデータ処理中。
    7) 和歌山県:
    (昨年度と同様の体制で、御坊や新宮市からも集まった。もともとタンポポの少ない山間部は抜けているところも。)

(3) 本調査結果の集約について(前回委員会報告より)
    @ 現在までの調査でわかってきたこと
      1) 三重県
      (シロバナタンポポが多い。花弁の真っ白のキビシロタンポポを1株発見。岡山県のキビシロは4倍体だが、三重県の数株を見てもらったら5倍体)
      *シロバナタンポポとキビシロタンポポの区別が難しいものがいくつかある。また、花弁が白い2倍体在来種も数例あった。
      *5月末に採取されたものに花粉なしが多かった。
      *キビシロタンポポは総苞外片の外側に長い毛が密生しているのが特徴。
      2) 滋賀県
      (欠席)
      3) 京都府
      (北部にシロバナタンポポが多い)
      4) 大阪府
      (花粉なしという外来種のサンプルも結構多い。開花終了した花で花粉がなくなっているものとの区別がむつかしい。)
      5) 兵庫県
      (北緯でほぼ35度より北ではカンサイタンポポは激減し、高次倍数性在来種やシロバナタンポポが多い。豊岡盆地の在来種はヤマザトタンポポで、絶滅危惧種にあげられているが山間部では結構多い。北近畿にもキビシロタンポポがある。)
      6) 奈良県
      (5月中旬以降は、山間部ではカンサイタンポポの頭花が採取できず)
      *時期が遅いと在来種の頭花が少なく、データとしては無効になる。山間部は在来種が少なく、道路沿いに外来種が侵入している。古くからの集落は山間の尾根部にあり、そこには在来種も分布するようだ。
      *遅い時期に採取された外来種に花粉なしが多かった。
       *ほとんど均一だが小さいものが少し混ざっているとどう判断したらよいか。→視野を変えてみて、大部分が均一なら在来種と判断してよい。
      7) 和歌山県
      (南部にはカンサイタンポポがなく、在来種はシロバナタンポポのみという地域もある)
    <花粉観察について>
    *今回の調査で初めて取り入れた花粉観察は、おおむね順調にいっており、昨年度の解析では雑種タンポポとの整合性もとれていた。ただし、大きさのバラツキの程度が様々であり、外来種でもはっきりと差があるものから、かなり大きさがそろっているものまであって、奥が深い?というのが実感である。雑種の解析が済んだサンプルで花粉のサイズの頻度分布をきちんと出しておく必要があるだろう。
    A 調査用紙、頭花・痩果サンプルの扱いについて(前回の再確認)
      1) サンプルを点検した結果や、花粉観察の結果などはすべて調査用紙に朱記して、用紙を整理番号順にファイルする。このファイルはデータ入力処理後も各府県で保存。
      2) 頭花・痩果サンプルはいずれにも整理番号を記入し、頭花はティッシュに包んだまま、 別の封筒に入れるか、台紙に貼り付けるなどして、各府県で保存する。
      3) 痩果については、小袋用紙に貼り付けたまま、原則として調査終了後、できるだけ早く大阪市大(伊東先生)へ送付するものとする。
      なお、府県別の平均的な雑種比率を求めたいので、総苞外片の状態が1〜5の様々なタイプのものが混ざるようにして送ること。
      *まだの府県(滋賀・奈良・兵庫・京都)は、整理ができていない場合は、一部でもよいので早急に(8月末まで)お送り下さい。
      送付先:〒558-8585 住吉区杉本3-3-138
           大阪市大理学部植物生態研究室 伊東 明(Tel:06-6605-3167) 
    B 今後のデータ処理について(近畿全域対象)
      1) 今年度のデータについては所定のExcelのファイルに指示に従って入力して、FDで郵送か添付ファイルの形で事務局(tampopo@nature.or.jp)へ提出してください(7月末日締切り)
      締切りに間に合わない場合はご連絡の上、入力が終了したデータだけでも提出してください。
      入力に当たっては、可能な限り、入力フォームを利用して入力するようにしてください。 (Excelのままだと要注意)
      *これもまだデータがある府県(兵庫・大阪・奈良・京都)は早急に(8月末日まで)お送り下さい。8月末に届かない分は無効とせざるを得ないか。

      2) 昨年度のデータについては、事務局(木村)から昨年の最終データを添付ファイルでお送りし、その中に修正してほしいサンプルのデータにチェック(セルに色を塗る)を加えてお送りした(7月中旬)ので、そのデータのみを点検して、下記の修正を加えて、7月末日までに、FDか添付ファイルの形で事務局へ再提出してください。
      頭花と痩果の形態からは在来種とされたものでも、花粉観察で「バラバラ」という結果が得られた場合は、高次倍数性の在来種を除いて、「タンポポの種類」を在来種から外来種に修正し、痩果があればそれを確認してセイヨウタンポポか、アカミタンポポかを区別して、入力しなおす。
      *これも、まだの府県は早急にお送り下さい。(8月末最終締切り)

(4) 本調査結果の解析について
    @ 府県ごとの解析について
      各府県で集約したデータについては、府県ごとに解析して調査報告書にも掲載(2〜4ぺージ程度)→可能なら、次回の解析委員会に持ち寄る。遅くても、10月1日の第10回実行委員会に原稿を持ち寄って検討することとする。解析のためのデータは、修正を加えた昨年度の予備調査結果と、今年度の本調査データを合算して作成し、9月上旬には各府県にお送りする。
    A 近畿全域の解析について(当日配布資料(省略))
      1)本調査結果(クロス集計)について:予備調査との傾向を府県別に比較→結果が異なる府県があるか? また、その原因は何か?
       *京都府と奈良県で違いあり。これは、昨年度のデータが少なく、今年になって広い範囲でたくさん採取されたためと考えられる。
       *滋賀県でシロバナタンポポが急に増加しているが、これはなぜだろうか?
      2)分布マップについて:これも昨年度とデータと本調査のデータを集計して、一つの地図を作成。これらと1970年代の結果とを比較する。また、可能な地点は、1980年代・1990年代の変遷を見る。

    B 雑種タンポポの解析について
      本調査では、原則として痩果のサンプルはすべて大阪市大に送付する。ただし、各府県での解析に必要な分は各府県で保存してもよい。
      送付されたサンプルのうち、一定数を抽出し、痩果を発芽させた実生の葉を用いて、フローサイトメーターと葉緑体DNAによる解析を行なう。この方法で、現在知られている在来種と外来種の間に生じる3つのタイプの雑種(3倍体雑種・4倍体雑種・雄核単為生殖雑種)を識別することができる。そして、府県別に外来種のうちのそれぞれのタイプの雑種の比率を明らかにして比較したい。その際、可能な限り、総苞外片のタイプ(段階1〜5)別に解析をして、府県によってタイプ別の雑種比率に差があるかどうかを検討する。
         →各府県最低50ずつは分析する必要があるのではないか?
        * 大阪市大での雑種解析について、大阪の実行委員で可能な方に協力いただいて、進めていく。
        *まだ、痩果を送っていない府県は早急にお送り下さい。
(5) 調査報告について
    次の3種類の報告書類を作成したい。
      @ カラーチラシ:調査結果を要約したチラシ(B4かA3判、両面印刷。少なくても片面はカラー)
      A 報告書1:調査結果の概要をまとめた報告書。11月末日をめどにして印刷する。昨年発行した「予備調査報告書」と同じようなものを印刷業者に出して発行。寄付金1000円以上いただいた方には、@とAをお送りする。
      B 報告書2:さらに解析を進めて、来年3月末をめどにして参考資料(データや写真など)も含めて発行。印刷費のあてがないので、HPで公開したり、CD−ROMの形で配布してはどうか。

    *なお、これ以外に全部のデータを収録したCD−Rを作成して、各府県の実行委員会に配布して、今後の調査に生かしていく。
(6) 実行委員会予算や助成金の申請・寄付金の公募
    @ 助成金について
      ・河川環境管理財団(120万円、2年)は1年目が終了、現在2年目
      ・タカラハーモニストファンド(50万円、1年)は、4月末日に結果と決算報告を済ませた(大部分が印刷費で支出)
      ・NACS-Jは前期分(30万円)と後期分(50万)が入金済み。9月末日までに決算報告必要、よって、領収書はすべて9月末日までに会計に集約する。内訳:消耗品(薬品など)20万、謝金14万、通信3.5万、資料購入2万、印刷費34万、会議費4万、旅費4万など
    A 寄付金について(5月末日現在)・・・・・・約17万円
(7) 今後のスケジュールについて
    6月〜7月末日  結果の集約とデータの入力(追加入力:〜8月末日まで)
    8月〜9月  解析委員会で近畿の調査結果の解析
    10月 1 日   第10回実行委員会→不十分なら再度解析委員会開催
    10月〜11月  調査報告書1と、カラーチラシの作成
    12月10日   NACSJ助成団体発表会
    12月〜2006年3月  12月〜2006年3月 調査報告書2(CDとして?)の作成


*今後の会議の予定
    【第5回 解析委員会】
      日 時:9月19日 (祝・月) 15時〜18時 (於 保全協会事務所)
        <次回の解析委員会までの課題>
          @ 未処理・未入力のデータの解析・入力(8月末日締切り)
          A 予備調査データの修正まだの府県(兵庫・大阪・奈良・京都)はお送り下さい(8月末日締切り)
          B 外来種の痩果の送付(まだの府県 (滋賀・奈良・兵庫・京都) は、8月末日締切り)と、雑種タンポポの解析(伊東先生、9〜10月)
          C クロス集計・マップ作成やり直しと予備調査との合算(9月上旬)
          D クロス集計結果の解析→報告書の執筆(9月中旬以降)
    【第10回実行委員会の日程】
      日 時10月1日(土)15時〜18時  場所:保全協会事務所
        *報告書の原稿検討
        *各府県まとめの原稿提出:2〜4ページ、書式は予備調査報告書と同様
    【第6回 解析委員会】
      次回の委員会で判断して、会合が不要な場合は、とりやめ。 日 時:10月23日(日)15時〜18時 (於 保全協会事務所)






  連絡・問い合わせ先:
   タンポポ調査・近畿2005事務局(tampopo@nature.or.jp

530-0075 大阪市北区中崎西2-6-3 パステル1-201
(社)大阪自然環境保全協会内
Tel: 06-6374-3376 Fax: 06-6374-0608

担当:木村進・高畠耕一郎

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