第10回講座 水田を見る  (2008.6.14.)
講座内容  水田の農業生産の現状と水田のもつ自然環境への多面的な機能について考える
講  師   松下美郎 先生 大阪府環境農林水産総合研究所
                   食の安全研究部 総括研究員
場  所   能勢町の水田



日本の稲作の生産性、経済性や水田に生息する生き物の状況などについて クイズ形式で具体的に説明する松下先生。


田植えが終わった水田ではオタマジャクシやカエル、トンボ、チョウなどの生き物が見られた。


生産性を上げるために圃場整備された棚田。水田のもつ多面的な機能(洪水防止、生態系保全、景観保全など)を守っていくためには、基盤となる稲作が経済的に成り立つことが重要と松下先生。。


よく整備された棚田の土手。草刈は機械の導入が難しいので手間のかかる作業となっている。イネ害虫の発生増大を防ぐためにも草刈は重要です。


イノシシ、シカ侵入防止ネットの張られた水田の横を谷津田の上部に向けて歩く。 野生動物との共存も大きな課題。


「ガマ」と呼ばれる石組みの施工が見られる。能勢地方独特の棚田の灌漑施設。水はこの石組みの隙間を通って上の水田から下の水田に流れ込む。大雨時には洪水調節機能も持っているそうです。


谷津田の山側斜面のあちこちに美しく咲いたササユリ。農家の方が山の斜面を整備していて、ササユリが生育する環境が保たれている。


谷津田の最上部から棚田を見下ろす。水田のもつ多くの機能を改めて実感した。国内で失われつつあるこのような景観や生物環境が維持されるために私達がどう関われるのか、問いかけられているようです。
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