第26回講座 「森・川・里・海連環」 (2008.11.12.)
講座内容自然(森・川・海)と人(里)が影響しあって形成する自然と文化について明らかにし、自然の恵みの持続的な利用のための自然との付き合い方(生態系管理)を学ぶ。
講  師夏原 由博 先生 京都大学大学院 地球環境学堂教授
場  所川西市黒川地区



道路脇の台場クヌギを見ながら、午前の室内講義会場の黒川公民館に向かう。


豊かな生態系が維持されるためには多様な生物のつながりがなければならず、森・里・川・海のつながり(連環)が大切と説明する夏原先生。


炭やマキ肥料(落葉)に利用するために、人間が間伐や伐採をすることでこれまで里山環境が持続的に維持されてきた。そこは樹液、落葉腐葉土や林床の草本を食性とする多種の昆虫をはじめ、それらに連鎖する多様な生物が生息する。


この黒川地区では現在も炭焼きが営なまれ、その生産林(クヌギ林)が維持されている場所がある。本来の里山の景観が見られる。クヌギ林は約10年程度の周期で輪伐される。低い木の見える所は昨年秋に伐採した箇所。


伝統的な池田炭の生産家で、現在も生産林(里山)の維持・管理を行っている今西さんの炭焼き釜を訪れ、今西さんにクヌギ林の手入れや炭焼きについて 話をしていただく(クヌギは池田炭の原木)。


池田炭は炭の切り口に菊の花びらのような割れ目が現れることから菊炭とも言われている。茶道に使用する炭として最も評価が高い。


この炭焼ガマで1回に4〜4.5トンの原木を焼き800kgの炭が出来る。
12月頃から5月頃まで炭焼きをして年間約20トンの炭を生産するそうです。


これから炭焼きに使用する原木のクヌギを炭焼き場に搬入する場面に出会いました。
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