タンポポ調査・近畿2005 活動記録 No. 15




タンポポ調査・近畿2005 第4回実行委員会報告

  
【日時】2004年9月4日(土)午後1時〜5時
【場所】(社)大阪自然環境保全協会 事務所
【参加者】滋賀(布谷知夫)・三重(佐野順子)・京都(石井寛子)・奈良(田代 貢・久保田)・和歌山(内藤麻子)・兵庫(鈴木武・本田)・大阪(佐藤治雄・伊東明・高畠耕一郎・木村進・米道綱夫・酒井和子・宮田修・杉野・横山・纐纈・有川)+日本気象(大橋・荒二井)、以上19名+2名。
【司会】高畠(事務局・大阪自然環境保全協会)
【記録】米道・木村(同)
【案件】
 
(1) 解析委員会報告−近畿全体の解析状況報告「解析委員会報告」参照)
    *今回検討を加えた調査結果については、次回実行委員会までに予備調査報告書として集約し、ホームページにも掲載する。
(2) 予備調査報告書、及び、報告プリントについて
    @ 予備調査報告書の目次案と執筆分担
    (A4版で余白は上下縦横とも20mm、文字は10.5ポイント、45字×40行、「Word」で作成。25〜30ページ程度の予定)
      *府県別の結果報告は、近畿全体の報告とできるだけ重複しないように記述する。
      *完成した原稿は、tampopo@nature.or.jp までお送りください。締切は9月末日。

    0.表紙と目次 
    1.はじめにータンポポ調査・近畿2005について(1p,布谷・木村)
    2.調査の概要
    (1)目的と意義(1p、木村・布谷)
    (2)調査方法(2p、木村)−調査用紙は巻末資料
    (3)調査の経過(1p、木村)
    3.調査結果と考察
    (1)調査結果(3p、木村ほか)
    (2)メッシュによる解析(3p、同 上 )
    (3)府県別の結果報告(各府県1〜2p×7)−形式は自由だが、できるだ け次の項目について統一してまとめるものとする。
    <1) 調査への取り組み  2) 結果の概要  3) ・・県で特徴的なこと>
    @三重(佐野) A滋賀(布谷) B京都(伴) C大阪(高畠・木村) D兵庫(鈴木) E奈良(田代) F和歌山(内藤)
    4. 雑種タンポポの解析(3p、伊東・名並)
    5. おわりにー本調査に向けて(1p、木村・布谷)
    *巻末資料:調査用紙・報告プリント・識別チラシ(?)・その他


    A 報告プリントについて
    (A3判、10000枚印刷、表面:カラーの分布メッシュ地図やタンポポの写真など、裏面:白黒またはカラーで、調査の概要や結果の解説を記載する)
    →なお、本調査で活用できる「タンポポの種類識別のカラーチラシ」も平行して作成して準備をしておき、本調査時に配布したい。これらについては、鈴木氏に原案作成をお願いする。

    B 予備調査報告書等作成の日程案
      2004.9. 4 第4回実行委員会。この日までに提出された原稿について検討。
      2004.9.30 予備調査報告書原稿最終締切。→集約して冊子の形でまとめる。
      2004.10.11 第5回実行委員会で原稿検討。
      2004.11月 報告プリントはできるだけ早く印刷し、希望者に配布。予備調査報告も遅くとも今年中には完成させたい。


(3) 2005年本調査の実施につい
    @ 本調査のあり方について
    1) 基本的には近畿全域で最低限統一して行う調査としては、予備調査と同じ方式の調査を継続して実施する。そして、この2年間の調査結果で分布地図を作成する。調査方法の大枠は変えないが、予備調査の結果を踏まえて、「調査用紙」や調査の方法の一部に修正を加える。その際、今回は近畿全体では在来種は種まで分類せず、各府県に任せたが、本調査では基準を作って検討したい。これについては、次回委員会終了後、関係者で検討会を持つ。

    2) それ以外にどのような調査を行うかは、各府県の判断に任せる。しかし、別の方法で行った調査データは、近畿全域の調査結果とは別に扱うものとする。

    A 「調査用紙」の修正について
    大阪の実行委員会での検討結果を示したが、これについては、次回実行委員会までに各委員が、今年の調査用紙に朱を入れて持ち寄り、修正案をまとめたい。今年11月末までには印刷発注する予定。

    B 本調査の調査体制・方法について
    1) どのようにして、調査を広めていくか? 参加団体を増やしていくか?
      *近畿の自然保護・愛好団体、教育団体などへ事務局から依頼文を送付して、参加団体をつのる。
      *各府県で学校団体(特に校区が広い高等学校)に呼びかけて多数のサンプルを集中的に集める方法も効果的。
      *携帯電話を利用する方式を導入するか?―新しい方式として事務局で検討してきた。調査の概要や方法を携帯電話で見ることができて、結果の送信も位置情報や撮影したタンポポの写真も含めて可能。
      *特に、調査地点に地域的な偏りがあった府県(京都府・奈良県)については、事務局体制も含めて検討を進めた。このうち、奈良県については、奈良教育大学で事務局を引き受けていただけそうで、数名の新しい実行委員も依頼中で、体制が整いつつある。京都府については、特に北部へ広める必要があり、各委員でも知り合いに働きかけていき、次回実行委員会で検討したい。その他の府県はほぼ今年の体制を基本にして、新しい参加団体や参加者を募りながら、本調査を実施することになる。


     2) 雑種の解析とどのようにリンクさせるか?
      *フローサイトメーターと葉緑体DNAによる解析(大阪市大:伊東・名波氏)
    • 2004年春は大阪府内の大阪市(住吉・東住吉区)・堺市・吹田市の3地点でサンプル採集。一定の成果が得られたが、大阪市内と堺市・吹田市ではやや結果に相違があった。もっと、多くの地域で同様の調査をすることが必要。
    • 今後、各府県のサンプルのうち、総苞外片が上向きなのに花粉のサイズがバラバラな個体(在来種型雑種?)などについては、送付された痩果を発芽させて、本当に雑種かどうかを確認する。
    • また、可能なら各府県ごとに総苞外片の状態が1〜5の各段階のサンプルを抽出し、それらの痩果を発芽させて各段階でも雑種に比率を調べてみる。
    • 2005年春については、別の地域でも集中的にサンプル(頭花や痩果)を採取し、クール宅急便で回収するという方法で調査を行う。
    • 雑種の解析とその他の形質(総苞外片・頭花・痩果など)の形態学的解析との対応性についても検討したい。

    3) その他調査方法について(提案)
      ・調査の実施時期が「4月1日から5月末」となっているが、開始を「3月1日から」    としてほしい。和歌山県では今年も早めた。

(4) 携帯電話を利用したタンポポ調査について
    @ 経過報告(すでに実行委員数名で3回ほど話し合いを行ってきた)
    A 日本気象株式会社の大橋氏より説明(詳細省略)
    B その後、各委員から賛成・反対の意見を出していただいた。主な意見は下記のようなものであった。
     <賛成意見>
    • 新しい調査方法ということで話題性もあるし、特に若い世代にタンポポ調査へ参加してもらえるようになり、調査活動が拡大できる。
    • サンプルを送ってもらって花粉の観察を行う本調査の結果とはいっしょに解析はできないが、補助的なデータとして活用できる。
    • 写真の撮影方法をきちんと指示すれば、横から撮影した写真で在来種か外来種の判断は可能だろう。
    • 調査地点のメッシュ番号が位置情報から取得できるメリットがある。

     <反対意見>
    • 本調査で送付されるサンプルの処理だけでも大きな労力が必要なのに、その上にこの方法で送付されてきた写真からの同定作業などが加わる。
    • 携帯電話の写真だけでは十分な同定できず、せっかく送ってもらっても無駄になるデータが多く出ることが予想される。タンポポ調査には適さない。
    • 調査者はサンプルを採取する方法より、手軽な携帯電話利用の調査に移行してしまって、本調査のデータが十分集まらなくなるおそれがある。
    • 今回の調査の重点が、雑種の増加を念頭において、頭花と痩果のサンプルを送っていただき、花粉観察も行って、それらをもとに同定が正しいかを確認することにあるので、簡易な方法を併用すると調査自体の信用性にもかかわってくる。
    • 2つの調査方法を同時に示すのは混乱を生じる。別の年に行ってはどうか。
    C 2005年本調査に導入するか。導入規模と導入方法について
    • 今回の議論では、この調査法の大きなデメリットの指摘や、強い反対意見もあり、近畿全体での携帯電話を活用した調査の導入は無理と言う結論となった。
      ただし、府県による意見の違いもあり、実施可能と判断した府県で試行的に行うことを認めるかどうかを次回までに検討してきて、意見をもち寄り、次回実行委員会で結論を出すこととなった。
(5) その他
    @ 予算について
      1)助成金の申請
      現在、日野自動車グリーンファンド(布谷、45万円、1年)と河川環境管理財団(伊東・名波、120万円、2年)に加えて、タカラハーモニストファンド(木村、50万円、1年)が決定。また、富士グリーンファンド(木村、250万円)は不合格。昨年ダメだったNACS-J(7.15締切)を申請中。

      2) 寄付金の公募  
      各府県で下記口座への寄付金を募ってほしい。
              
        *口座番号:00950−3−221884番、口座名称:タンポポ調査・近畿2005実行委員会
        *本調査に向けて、1000円以上寄付をいただくとカンパ込みで最終の報告書をお送りするという形で、寄付金を集めることとする。これも調査用紙に記載して宣伝を行う。

      3) 各府県予算として当面2万円を計上、報告書の必要経費など追加して必要な府県は申し出ていただく。これについては、「タンポポ調査・近畿2005実行委員会」宛ての領収書(日付・品目記載)が必要。品目は「会議費・通信費・事務用品費・印刷費」とする。裏に鉛筆で府県と支払い者名を記入し、会計担当(宮田さん)に提出。残金は返金。

      4) 今後、助成金の会計報告が必要になってくるので、予算の使途をはっきりさせていく必要がある。会計中心に事務局で相談し、当面必要な印刷費(報告プリント・予備調査報告書・本調査用紙など)から予算化していきたい。これについては、9月27日(月)19時から保全協会で事務局会議を行なって、会計面の検討を行う。

    A 後援申請について
      近日中に申請書提出
      *対象:2府5県、同教育委員会、日本環境教育学会、新聞5社

    B 「タンポポ調査・近畿2005」実行委員会のホームページ
      今後、予備調査結果の報告の掲載や、来年度の本調査に向けて小中学生でもわかるコーナーが必要。
(6) 今後のスケジュールについて
    2004.8.24.第3回解析委員会(13:00〜、於保全協会)
    2004.9.4.
    (本日)
    第4回実行委員会(13:00〜、於保全協会)。可能な限り報告書原稿を提出
    2004.9.27.事務局会議(宮田・高畠・木村)で予算案を検討。会計面の相談を行う
    2004.9.30.予備調査報告書原稿最終締切
    2004.10.11.第5回実行委員会(予備調査報告書原稿・本調査の調査用紙の検討ほか)
    →終了後、本調査における在来種の同定の基準に関する検討会
    2004.10〜11月報告プリントはできるだけ早く印刷し、希望者に配布。予備調査報告書は遅くとも11月中には完成させたい
    2004.12.〜2005.1.本調査に向けた取り組み(調査用紙・組織体制・協力団体・協力者募集)
    2005.1.15.本調査の室内説明会(大阪以外での開催を検討→無い場合は大阪で実施)
    2005.2〜3月各府県で実行委員会・調査説明会を開催。調査への参加について働きかけ
    2005年4〜5月本調査の実施、各地で現地説明会やタンポポウォーキングなど開催
    2005年6月以降調査結果の府県別集約 →近畿全域での集約 →解析 →最終報告書の作成

*次回委員会までに行っておくことの確認
    @ 予備調査報告書の原稿を完成させる。(原稿締切は9月末日
    A 本調査で使用する調査用紙の検討。(今年の用紙に修正すべき点を朱書きしてくる)
     その他、調査方法で変更した方がよい点の指摘をまとめる。(できれば文書で提出)
    B 携帯電話を利用する調査について、各府県で検討。
     (1.実施希望の府県があれば認めるか。2.その場合に実施するかどうか。)
    C 各府県の本調査の調査体制について考えてくる。
      1.事務局は今年と同じでよいか。調査用紙の送付先はどうか?
      2.新しい調査実行委員(近畿・各府県)の提案があれば出して下さい。
      3.新たに調査を呼びかける参加団体

 <次回:第5回実行委員会の予定>
    日時:10月11日(月・祝)14時〜17時30分
    場所:保全協会事務所
    *終了後、18時30分〜21時 : 本調査における在来種の分類に関する検討会(各府県の代表者のみでよい。検討資料をお持ちください。)
 <その後の予定:ほぼ今年並みの日程で進めることを確認>
    近畿全体の調査説明会の開催日を2005年1月15日(土)と決めた。詳細は次回。

    第6回実行委員会
    第7回実行委員会
    現地説明会(近畿) ― 今年は4月4日午前、長居公園
    室内講習会(近畿) ― 今年は4月4日午後、自然史博物館
    サンプル検討会 ― 今年は6月5日午後、自然史博物館

  連絡・問い合わせ先:
   タンポポ調査・近畿2005事務局(tampopo@nature.or.jp

530-0075 大阪市北区中崎西2-6-3 パステル1-201
(社)大阪自然環境保全協会内
Tel: 06-6374-3376 Fax: 06-6374-0608

担当:木村進・高畠耕一郎

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