タンポポ2005_2004予備調査実施要領 資料2

タンポポ調査・近畿2005予備調査実施要項
参考資料 2.



タンポポの種類分け(在来種と外来種の見分け方)
 古くから日本にある在来種と、ヨーロッパ原産の外来種(帰化種)とは、どこで見分けられるのだろうか? 花弁の下にある緑色をした総苞の外片に注目すれば簡単にわかります。

 近畿地方に分布する在来種のタンポポは詳しく調べると数種類(後の資料参照)に分けられますが、今回の調査では花弁の色に注目して、大きく2種類に分けて調査します。また、外来種は2種類ありますが、タネ(痩果)がないと区別がむつかしいので、タネがない場合は外来種としてまとめ、タネがある場合にのみ2種類に分けて報告してください。


*近畿地方に分布するタンポポ類の簡単な見分け方*


<在来種と外来種の見分け方>

・基本的には上図のように、総苞外片の形から区別できる。
 在来種では総苞外片が上向きで内片に完全に圧着しているものが多いが、中には少し離れているものもあり、判断に迷うかもしれない (はっきりしないものは、調査委員会で標本をもとに確認しますので、必ず乾燥させた頭花を送ってください)。
 一方、外来種も典型的なものは、総苞外片が大きく反り返って完全に下向きになっているが、やや下向きのもの・ほぼ水平に広がっているもの・上向きのものなどもある。
 これらについても、開花中の花で総苞外片の状態を観察して5段階(下図)に分けて記録していただき、後日調査委員会でも標本をもとに確認作業を行う。



<在来種について>
 日本産のタンポポは、北村(1957)によって21種類に分類され、この分類が多くの図鑑などでも採用されてきた。このうち、近畿地方にはカンサイタンポポ・トウカイタンポポ・セイタカタンポポ・クシバタンポポ・ケンサキタンポポ・ヤマザトタンポポ・シロバナタンポポなどが分布することが知られている。
 その後、様々な検討が加えられ、森田(1995)は15種類に整理することを提唱している。その結果、図鑑などの記述も、どちらの分類に基づくかによって異なり、わかりにくい状況となっている。
 今回の近畿全体のタンポポ調査用紙では、在来種のタンポポを白い花を咲かせるシロバナタンポポ類と、黄色い花を咲かせるものの2つに大別するにとどめ、さらに細かい分類については各府県の調査実行委員会の判断で行うことにした。今回の調査では、頭花の標本を送っていただいているので、これをもとに大多数は同定が可能である。

<外来種について>
 今回の調査では、原則として外来種をセイヨウタンポポとアカミタンポポの2種類に分けて調査する。
 両者とも総苞外片が内片と離れて垂れ下がっているので、花があれば在来種とは区別できるが、両者を識別するためには、綿毛のついた果実(痩果)が必要であり、花しかない場合は区別できないため、外来種としてまとめて扱うことになる。
 セイヨウタンポポの果実は茶褐色(ミルクコーヒーの色に近い)であるが、アカミタンポポは赤褐色(赤レンガ色といった方がいい、中には少し赤っぽいだけのものもある)である。一般に、アカミタンポポはセイヨウタンポポに比べて花の咲く時期が遅いので、外来種があって果実ができていない場合は、1〜2週間後にもう一度調査に行くとよい。





実施要項・目次
タンポポ調査・近畿2005 実行委員会 これがタンポポだ!(似た種類との識別法)
1.はじめに―「タンポポ調査・近畿2005」に向けて タンポポの種類分け(在来種と外来種の見分け方)
2.「タンポポ調査・近畿2005」の目的 雑種タンポポについて
3.新たに生じた問題―雑種タンポポの発見とその増加 過去のタンポポ調査の結果例(1970年代の京阪神、堀田1977より)
4.タンポポ調査・近畿2005実行委員会 今後のスケジュール
5.2004年予備調査について トップページ