RSPBからの提言
RSPB~大阪湾の自然再生と万博・夢洲のネイチャー・ ポジティブを提言
英国最大の自然保護団体である英国王立鳥類保護協会(RSPB)と、公益財団法人日本自然保護協会(理事長:土屋 俊幸、以下「NACS-J」)など国内の自然保護団体6団体は、2025年大阪・関西万博を契機とした大阪湾の自然再生を提案する共同書簡を、2025年6月10日付で大阪府知事・大阪市長宛にメールで送付しました。
本書簡では、かつて渡り鳥・ヘラシギの日本有数の重要な中継地であった夢洲の湿地が、万博会場開発によって大きく損なわれた現状に触れ、水辺の保全・沿岸湿地の再生すべきであること、今後「ネイチャーポジティブ(自然再興)」の国際的なモデル地域としていくべきだと提言しています。
主な共同書簡のポイント ・夢洲の水辺を水鳥のために保全・管理すること ・大阪湾内の沿岸湿地を保護・再生・また新たに創出すること ・これらの保全取り組みを、2025年大阪・関西万博の期間中に公表すること この英日の共同書簡の提言は、万博のテーマである「SDGs達成への貢献」を具体化するものであり、生物多様性の危機に対する国際的な連携の一環でもあります。 私たちは、万博を契機に、大阪湾が未来の都市と自然の共生を示す象徴的な地域となることを願い、そのために、知事や市長、関係部署との建設的な対話を要望します。
◆プレスリリース(PDF版ダウンロード)
◆配布資料
・Letter to Osaka City and Prefecture from RSPB & Japanese NGOs re Nature Positive(英文)
・Letter to Osaka City and Prefecture from RSPB & Japanese NGOs re Nature Positive(和訳)
・Briefing for Osaka Governor and Mayor on Nature Positive Response to Expo 25 in Osaka Bay
発信団体
英国王立鳥類保護協会(RSPB:Royal Society for the Protection of Birds)
1889年に設立し、英国に本拠を置くヨーロッパ最大の自然保護団体で、会員数は120万人以上。鳥類を中心に、生態系全体の保護を目的として英国全土および世界中で活動している。
公式サイト:https://www.rspb.org.uk/
公益社団法人・大阪自然環境保全協会
身近な自然を愛し、これを守り育てたいと願う市民が運営している民間の自然保護団体です。1976年に社団法人として設立されました。 ボランティアを中心に活動を行っており、2024年4月現在の会員は約700名です。
公式サイト:https://www.nature.or.jp/
日本野鳥の会大阪支部
日本野鳥の会大阪支部では、野鳥保護思想の普及や野鳥が生息する自然環境の保全や回復のために、取り組んでいます。 夢洲をはじめ大阪湾の野鳥を守るために、生息環境の保全や回復に向けての取り組みをすすめています。
公式サイト:https://wbsjosaka.com/bird/
日本野鳥の会
公式サイト:https://www.wbsj.org/
日本自然保護協会
公式サイト:https://www.nacsj.or.jp/
WWFジャパン
公式サイト:https://www.wwf.or.jp/
認定NPO法人バードリサーチ
公式サイト:https://www.bird-research.jp/
以上 日本の6団体は、2024年11月15日に開催されたシンポジウム「みんなで守ろう!大阪湾岸に来る渡り鳥」において発案された共同宣言、「大阪湾岸に生物多様性豊かな干潟や湿地を取り戻すための共同宣言」(2025年年1月15日)での共同宣言団体として、本件でも協働しています。くわしくは →こちら
RSPB(英国王立鳥類保護協会)とのかかわり
2024年11月、「コスモス国際賞」を受賞されたケンブリッジ大学のサザーランド博士が、授賞式に来日され、南港野鳥園を見学されました。博士に同行されていたバートナーのニコラさんは、RSBPでシギ・チドリの保全に取り組む自然保護活動家。世界的に絶滅に瀕しているヘラシギの飛来が夢洲でも記録されていることや、東アジア・オーストラリア・フライウェイの重要種が、夢洲および南港野鳥園で毎年確認されていること、夢洲にはラムサール登録基準レベルのポテンシャルがあることなどを知り、なんとかこの環境を守らないと、東アジア・オーストラリア・フライウェイ全体に悪い影響を及ぼすと考え、日本の自然保護団体への協力を申し出てくださいました。そこから、どのように行動すべきか、半年にわたり検討を続け、このブリーフィングを作成し、私たち日本の環境保護団体とともに、大阪府・大阪市などに意見を届けることをいたしました。
RSPBとの関係については、以下にも簡単に報告をあげています。
→都市と自然 2025年2・3月号 「大阪湾・共同宣言で未来への一歩を」
→都市と自然 2025年6・7月号 「英国からの湿地再興アドバイザーを招聘して」