NICE 国際ワークキャンプ

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NICEとは

 正式名称は特定非営利活動法人NICE(日本国際ワークキャンプセンター/Never-ending International workCamps Exchange)で、1990年に結成されました。正会員1083名、協力会員(会員経験者)9,886名(2011年4月現在)。46団体と事業共催、98カ国168団体と提携しています。国連CCIVS(ユネスコ 国際ボランティア活動調整委員会)に加盟(副代表)しています。

 日本およびアジアで国際ワークキャンプを主催しているNGOで、海外で開催される国際ワークキャンプの参加申し込みの日本窓口も担っています。会員主体で活動が行われていることが特徴で、NICEの会員であるボランティアと活動先である地域住民が共に暮らし、考え、行動することで、地域の問題の解決、さらにはそれが集まり地球規模の問題解決を行うことを目的としています。

国際ワークキャンプの取り組み

 NICEが主催する国際ワークキャンプを1999年夏に初めて受け入れてから13年(2011年11月現在)になります。1999年は富田林の自然を守る会が前半の1週間を、飯盛・北条の里山を保全する会(現「生駒いいもり里山サポーターズ」)が後半の1週間を担当して実施しました。その後毎年実施していますが、2001年からは富田林の自然を守る会と太子町葉室里山クラブがほぼ1週間ずつを担当して今日に至っています。最近では「NICE富田林チーム」がつくられ、毎月一泊で行われる週末ワークキャンプに、数人~10数人が参加して里山保全作業に汗を流します。

富田林と太子町で25カ国84人が里山作業

 外国人と日本人がそれぞれ5人前後、あわせて10人前後の若者が、富田林では奥の谷のみかん小屋(ミカンの貯蔵庫を改修)に、太子町では山田の山小屋に宿泊して里山保全作業(スギ・ヒノキ林の間伐、雑木林の下樵り、竹の伐採など)を行います。それに地元の参加者とスタッフで毎年延べ200人近い参加となります。この13年間の外国人参加者はスエーデン、イギリス、フランス、トーゴ、韓国、ドイツ、ベルギー、スロベニア、デンマーク、アメリカ、チェコ、ルーマニア、イタリア、スペイン、トルコ、オーストラリア、ベルギー、スロバキア、中国、ウクライナ、ギリシャ、スイス、ベルギー、メキシコ、台湾の25ヶ国84人でした。

 富田林では国際ワークキャンプで整備した山林を「NICEな森99」「NICEな森2000」・・・と名づけています。太子では人工林間伐隊の活動と相まってスギ・ヒノキ林の間伐整備が大きく進んでいます。

行政へのアピール

国際ワークキャンプの成果としては、
①奥の谷での里山保全が大きく進んだこと。
②若者達が里山保全の活動に参加し、その意義さを実感すること。
③富田林の自然を守る会の活動に活気を与えていること。
④地域の方々の理解が深まったこと。
⑤行政へのアピールとなっていることなどが考えられます。

 
国際ワークキャンプには毎年市長からメッセージが寄せられます。富田林の自然を守る会は1989年の発足当初から、市に担当部署を設置し自然保護に取り組むよう要望してきましたが、2001年に市は自然環境保全係を設置、2002年には富田林の自然を守る市民運動協議会を立ち上げました。富田林市はようやく自然保護に目を向けるようになったのです。この経過から見ても国際ワークキャンプが行政に大きく影響したものと考えられます。

 

田淵武夫(富田林の自然を守る会)
「都市と自然」2011年11月号より転載

NICEはこうして始まった

 1998年の初夏、一本の電話が協会事務所に入りました。「ナイス国際ワークキャンプの開澤と申します。ワークキャンプ受け入れのお願いにお伺いしたいのですが」新米理事の私が応対することになったのが保全協会とナイスのかかわりの始まりです。

 若い学生らしい方々が現れ、ワークキャンプの成り立ちや受け入れ先の対応など張り切ってご説明。59歳のばあさんには「すごく新鮮な取り組みだわ!」と即受け入れ承諾。これがあとどれほど混乱するか想像もしておりませんでした。若者の熱意にほだされていた私はお断りできず、各地の里山グループを行脚。受け入れを申し出られた富田林の自然を守る会、飯盛・北条の里山を保全する会(現、生駒いいもり里山サポーターズ)の方々と私が所属した葉室里山クラブにご無理をお願いして翌年開催にこぎつけました。

 思うに里山グループの責任者さんたちは、保全協会の理事からの依頼なので協会がしっかりかかわっていると考えられていた様子。これが富田林の自然を守る会の田渕さんが後年「え!」と吃驚される原因になります。10年を超える長きに渡って継続された取組みは様々なところに波及しながら現在に至っています。

新保満子(太子町葉室里山クラブ)
「都市と自然」2011年11月号より転載

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