都市と自然誌抜粋(トピック)No_446_201305_2

「第9回ほっといたらあかんやん!大阪湾フォーラム」に参加して

      文・写真 棚田 麻美(海の観察会)

 3月10日、海遊館にて、大阪湾見守りネットの主催する、第9回「ほっといたらあかんやん!大阪湾フォーラム」が開催されました。海遊館での開催は第5回に次ぐ2度目で、今回は“海へのつながり 海からのつながり”をテーマにした資料展示や体験ブースなどがあり、大阪湾の環境に興味のある個人、市民団体、行政機関など、約25団体が参加していました。また、日曜日だったこともあり、会場にはたくさんの人が訪れていました。午後からはホールでシンポジウムがあり、10題ほどの発表が行われました。

 会場には、様々な団体の展示やブースがたくさんありましたが、今回はその中からいくつか簡単にご紹介したいと思います。保全協会からは、海のふしぎ観察会、堺2区自然観察会、淀川自然観察会などの活動紹介のポスター展示やチリモンWEB図鑑の紹介ポスター、その場で実際にWEB図鑑をパソコンで体験できるコーナーなどを展示しました。 

  きしわだ自然友の会の皆さんのチリモン探しブース。さすが、人気プログラムで子供たちが入れ替わり立ち替わり、途切れていなかったように思います。その横では泉鳥取高校の生徒さん達が、手作りの魚釣りゲームコーナーを開いていました。

 

 他にも、大阪南港野鳥園の皆さんが渡り鳥の紹介や野鳥園の重要性についてのポスターを展示されており、石井園長が、大阪に渡ってくる渡り鳥や餌となる干潟の生態系のこと、その鳥達が繁殖地から越冬地に行くための中継地として大阪のあの場所に野鳥園が必要なのだということなどを丁寧に説明してくださいました。また、大阪湾に生息するスナメリに関する展示や、タカラガイや松ぼっくりを使った海クラフトの体験ブース、アマモとそこに暮らす生物、大阪湾に棲む外来生物の生体展示を行っている団体もありました。

 

 会場横の岸壁では、国土交通省の所有するDr.海洋という海洋環境船の一般公開も行われました。このDr.海洋は、大阪湾などの一般海域で、ゴミや油などを回収する海洋環境整備事業に使われているそうです。

 

 午後から開催されたシンポジウムでは、尼崎小田高校の生徒さんによる、尼崎港の水質調査の結果と水質浄化への取り組みの紹介から始まり、大阪湾見守りネットのメンバーの皆さんは、須磨海岸にアサリを復活させる取り組みや3,000kmもの距離を漂流し、ゴミとして打ち上がったデジカメの話、矢倉干潟、近木川などのフィールドでの活動紹介などを話されました。堺2区生物共生型護岸に関しては、友海ビーチで観察できた生物のことや、浅場干潟の大切さを子供たちに伝える観察プログラムについて浜寺公園自然の会・本多俊之さんが発表されました。

 どの団体もそれぞれ趣向を凝らした展示やブースで、とても勉強になりました。さらに、たくさんの方と知り合い、興味深いお話も多く聞くことができ、充実した時間を過ごすことができました。今回得た知識を、今後の自分の活動に役立てていきたいと思います。

ネイチャーおおさか 公益社団法人 大阪自然環境保全協会

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