(第4回)メールニュース連載~夢洲から~

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夢洲から描く大阪湾の自然再興

当グループでは、これまで夢洲の生物多様性ホットスポット(特に多様な鳥類の生息環境)を保全・創出するための働きかけを大阪市や博覧会協会等に対して行ってきました。しかし、万博の環境影響評価(アセスメント)に基づく対策は不十分であり、万博協会から大阪市に土地が変換される2028年には「夢洲まちづくり構想・基本方針」およびマスタープランに基づき、貴重な環境がすべて開発される計画となっています。私たちは、こうした夢洲の現状に対する働きかけを止めず、さらに一歩進めて「大阪湾全体へのネイチャーポジティブ(自然再興)」を求めていく活動を、今後も継続していきたいと考えています。これまでの私たちの活動と夢洲・大阪湾の真実を皆さまに知っていただくため、本メールニュースにて「夢洲から描く大阪湾の自然再興」を7月号から11月号にかけてお届けします。私たちが日々活動の舞台としている大阪湾の本質を、歴史と生態系の両面から見つめ直すきっかけになれば幸いです。

第1回:大阪湾のなりたちと歴史、かつての原風景をたどる ←これを読む
第2回:埋立の歴史と、そこに生まれた「渡り鳥のオアシス」~南港野鳥園と夢洲~←これを読む
第3回:動き出した巨大開発と、失われゆく「奇跡の湿地」~夢洲の現状と生きものたちの危機~←これを読む

第4回 海外に学ぶ「失われた湿地」の再生

~RSPBの先進事例と自然再興へのヒント~

第3回では、万博やIR誘致にともなう巨大開発のなかで、夢洲の「奇跡の湿地」が急速に失われ、コアジサシをはじめとする絶滅危惧種の鳥たちが深刻な危機に瀕している現状をお伝えしました。
開発が進むなかで、一度失われつつある生態系を再び取り戻すことは本当に不可能なのでしょうか?
第4回となる今回は、海外の先進的な成功事例に目を向け、私たちが目指すべき「自然再興(ネイチャーポジティブ)」の具体的なヒントを探ります。

1. 英国王立鳥類保護協会(RSPB)が示した「自然再生」の奇跡
環境先進国であるイギリスには、世界最大級の環境保護NGOである「英国王立鳥類保護協会(RSPB)」があります。彼らは長年にわたり、ただ自然を守るだけでなく、「失われた自然を人の手で積極的に復元・創造する」という先進的なプロジェクトを数多く成功させてきました。
その代表例が、かつて開発や産業利用によって徹底的に破壊された沿岸部や湿地を、壮大なスケールで元の豊かな生態系へと蘇らせた取り組みです。RSPBは、高度な専門知識、科学的なデータ、そして市民や政府、企業を巻き込む強力なパートナーシップによって、「開発と自然再生は両立できる」ということを世界に証明し続けています。

2. 単なる保護から「自然再興(ネイチャーポジティブ)」へ
これまでの環境保護の多くは、「残された自然をこれ以上壊さないように守る」という受け身の姿勢(NetZero / 悪影響をゼロにする)が中心でした。
しかし、すでに多くの自然が失われてしまった現代において、本当に必要なのは「自然を積極的に増やし、回復軌道に乗せる」という「自然再興(ネイチャーポジティブ)」の考え方です。
夢洲の事例に当てはめるなら、工事の隙間に「形だけの臨時の避難所」を作るのではなく、最初から「開発エリアの一部、あるいは周辺の大阪湾沿岸に、より豊かで持続可能な湿地環境を『創造・復元』する」というグランドデザインを描くことです。
(下の写真は、英国王立鳥類保護協会の湿地再興アドバイザーを招いて、大阪湾岸のポテンシャルを視察してもらった時の風景)

 

3. 大阪湾を「世界のモデルケース」にするチャンス
実は、夢洲で起きている危機とこれからの挑戦は、国際的にも大きな注目を集めています。
RSPBの専門家たちも、大阪湾における沿岸湿地の管理や復元、創造に対して深い関心を寄せており、世界的な絶滅危惧種である「ヘラシギ」などの種を救うための重要なステップとして、その専門知識を活かした協力を促進する可能性を示唆しています。
万博という「世界の知恵や技術が集まる場」だからこそ、専門家、市民グループ、そして企業の力を結集し、大阪湾を「アジアにおける沿岸湿地復元のフロントランナー(最先端の紹介事例)」へと押し上げることができるはずです。
海外の事例は、私たちに「あきらめずに自然を創り出す」という大きな希望を与えてくれます。

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いよいよ次回(最終回・第5回)は、これまでのステップを踏まえ、「2026年、私たちが夢洲から描く大阪湾の未来図~万博市民アクションの活動と、これからの具体的な提言~」についてお届けします。私たちが次の世代に引き継ぐべき大阪湾の未来の姿を、最後にご一緒に描きましょう。次回もどうぞお楽しみに!(第5回へ続く)

ネイチャーおおさか 公益社団法人 大阪自然環境保全協会

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